ふぇ~

テニス選手って面白いんです

アンディ・マレー(マリー)の性格は?数々のエピソードを交えて紹介!

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Photo by Carine06

概略

マレーの性格は一言で表すと真面目です。自分の思ったことを歯に衣着せずに発言し、あまり社交辞令とかを言うタイプではありません。彼の試合を見たことがある人は「気性が荒い」「怖い」「いつも独り言を言っている」「愛想が無い」などの印象を持っている人も多いと思います。テニスウェアについても黒や白をベースとした暗めの色を着用することを好み、蛍光色など派手なウェアを着ていることはほとんど見たことがありません。怖い、と思うかもしれませんが、実は妻の出産のためにグランドスラムを棄権するくらい、マレーはとても紳士的で良い性格です。

またマレーはゲームが大好きで、ゲームのし過ぎで恋人と破局したという噂もあります。コロナウィルスでツアーが中断した時のeスポーツ大会で優勝したことも納得できますね!

生い立ち

マレーは3歳の時に元プロテニス選手の母親、ジュディに連れられてテニスを始めました。その後9歳の時に両親が離婚をしたため兄のジェイミーと共に父親に引き取られましたが、テニス面においては常に母親のコーチを受けながら上達しました。アンディは同時並行でサッカーもやっていたのですが、15歳の時に名門サッカークラブからスカウトを受けるほどサッカーにおいても才能溢れる選手でした。

母親のジュディはやがてフェドカップイギリス代表のコーチを務めるほどのコーチ力の持ち主だったので、ジェイミーとアンディを世界を代表するテニス選手に育て上げることに成功しました。

言いたいことははっきり言う

フォニーニに「黙れ!!」

2019年上海マスターズでイタリアのファビオ・フォニーニとの出来事です。ファイナルセットの5-5、競った場面でマレーはアプローチからネットを取りました。ファーストボレーが素晴らしいコースへ行きフォニーニの返球は超チャンスボール。これをマレーは危なげなく決めるわけですが、ボレーを打つ際にフォニーニが大声で叫びました。(相手がボールを打つ際に叫ぶのはマナー違反)これにマレーは腹を立て本人のみならず審判にも抗議します。必死に審判へ抗議してる最中フォニーニもベンチから何やら反論しますが、それに対して「黙れ!!」と言い放ちました。

これはフォニーニがいけません。マレーは正論を述べています。結果的にマレーはこの試合に負けてしまうわけですが、フォニーニにとっても少し後味の悪い勝利となったのではないでしょうか。

0:32あたりからフォニーニに”Shut up!"(黙れ!)と言っています。


Heated Exchange Between Andy Murray And Fabio Fognini! | Shanghai 2019 Day 3

 

「君のことを好きな人は誰もいない」

2015年のBMWオープンの試合中にはチェコのルーカス・ロソルに「ツアーで君のことを好きな人は誰もいない。全員が君のことを嫌いだ。」という驚くべき発言をしています。なぜこのような発言をするに至ったかというと、チェンジコートの際ロソルはマレーに肩をぶつけたにも関わらず謝らなかったからです。それだけで?と思うかもしれませんが、実はロソルはナダルとも同じようなトラブルを起こすなど普段からコートマナーの悪い選手なんですよね。マレーがこのように怒るのも無理はないと思います。


Murray to Rosol "No one likes you on the tour"

しかし改めて見てみると、いくらムカついていても対戦相手に直接このような発言ができるマレーはすごいですね。陰で悪口を言わず直接言うのは彼らしいなと思います。

 

デルポトロとの小喧嘩

2008年のローマ大会ではアルゼンチンのファンマルティン・デルポトロとちょっとした喧嘩をしています。この試合中、マレーはデルポトロが身体をめがけて打ってきたショットに対してデルポトロが謝らなかったことに腹を立てていました。そこでチェンジコートの際にそれについて述べたところ、デルポトロが「君と君の母親はいつも同じだな」(マレーの母親はいつも客席から大声で応援してうるさいと有名)とマレーの母親を持ち出し反論したのです。これにますます怒ったマレーは審判からなだめられていますが、「受け入れがたい」としっかり自分の意見を言っていますね。これはマレーもデルポトロも双方がいけないですね。デルポトロが謝罪しないのも良くないですが身体をめがけてボールを打つのはルール違反ではないわけで、マレーがそれに対して文句を言うのは筋違いかなあと思います。一方のデルポトロも母親について文句を言いたければアンディにではなく母親本人に直接言えばいいのにと思ったりします。

13:00あたりからです。


Top 10 On-Court ATP Tennis Arguments!

「勝ったらイギリス人、負けたらスコットランド人」

マレーはイギリスのスコットランド出身です。我々日本人からすると理解しづらいですが、イギリスという国は4つの州がそれぞれ州のプライドのようなものを持っています。錦織圭が北海道出身だろうが沖縄出身だろうが島根出身だろうがあまり気にしない日本人は多いと思いますが、イギリス人にとってマレーが「スコットランド人」であるか「イングランド人」であるかは大きな違いです。サッカーやラグビーでは4つの州が別々のチームとして出てるくらいですしね。このようにイギリスは民族間対立が根深いわけですが、2006年にサッカーのワールドカップを控えた時期、「どのチームを応援する?」と聞かれたマレーは「イングランド以外ならどこでも」と答えたと報道されてしまいました。さらに2014年スコットランド独立投票の際、マレーはツイッター上で独立支持を表明しています。

このようなことからイングランド人はマレーについて「勝ったらイギリス人、負けたらスコットランド人」と皮肉めいたジョークを言っていただとか。今でこそイギリス人みんなから愛されているマレーですが、これまで国民との間に確執のようなものがあり複雑な立場で様々なプレッシャーと闘ってきたと言えるでしょう。

マレーの立場やイギリスの問題についてさらに詳しく知りたい方はこちら↓

ameblo.jp

fumirock.com

男女平等の意識

マレーは自身のウェブサイトにこんなことを書いています。

「僕がフェミニストになったかって?もしフェミニストであるってことが、女性が男性と同等に扱われるようになるため戦うということなら、ああ、たぶんそうなんだろうね。」

このように、マレーは男女同権意識の強いアスリートとして好感を集めています。以下ではいくつかこれに纏わるエピソードを紹介します。

異例の女性コーチを採用

ジュニア時代に母親のコーチを受けた経歴があることから女性のコーチに抵抗心が少ないようで、マレーは2014年、女子元世界ランク1位のアメリー・モーレスモをコーチに雇いました。当時のマレーは既に2つのグランドスラムタイトルを誇る世界5位であり、そのような男子トッププレーヤーが女性をコーチに雇うのは異例のことでした。これについてファンの間では様々な意見が出ましたが、マレーはあくまでも優れた人を雇うのであって、性別は必ずしも関係ないというスタンスを貫きました。実際に2015年の全豪オープンで決勝に勝ち進んだ際のコート上で勝利インタビューで、「僕が彼女をコーチにした時、多くの人が批判をした。しかしこの大会で僕らは、女性でも素晴らしいコーチになれることを証明できたと思う。」と述べました。なんてかっこいい!(*'v^*)ステキ♪

記者の質問を訂正

 2017年のウィンブルドンでは準々決勝でアメリカのサム・クエリー敗れた後、記者からのインタビューでクエリーについて「2009年以来、グランドスラム大会の準決勝に進んだ初のアメリカ人プレーヤー」としつつ質問が始まりました。これに対しマレーは「(初の)「男子」プレーヤー」だと訂正しました。実際にアメリカ女子ではウィリアムズ兄弟が何度も準決勝に進出しています。細かいところですが、このようなところにも気が配れるマレーは素晴らしいですね。

賞金問題

2016年、BNPパリバ・オープンのトーナメント・ディレクターだったレイモンド・ムーア氏は、女子選手を蔑視しているとも受け取れるこんな発言をしました。「もし私が女子選手だったら、毎晩ひざまずいて神に感謝するだろう。テニス界をけん引する、ロジャー・フェデラーラファエル・ナダルが生まれてきたことをね。」この発言をきっかけに選手の間ではプロテニスの大会で男女の賞金が同額であるべきかどうかの論争が起こりました。例えば女子のセレナ・ウィリアムズが男女で賞金に差があることに異議を唱える一方、ジョコビッチは「男子にはずっと多くの観客が集まっているのだから、男子の方が多くもらうべき」という旨の発言をしています。この時マレーは「僕は100%男女が同額であるべきだと思う。特に男女が共催の大会ではね。テニスは男子だけで成り立っているものではないというのが僕の意見だ。」と述べています。

実際、近年のツアーでは男子の方が人気があるのは事実として間違いないわけです。なのでジョコビッチのような意見を持つ男子選手がいるのはおかしくはないのですが、マレーはこの点においても男女平等を主張しており、さすがだとしか言いようがないですね!

怪我からの復帰

 マレーは2017年頃から怪我による不調に苦しめられ、一時ランキングも853位まで落ちてしまいました。2019年、マレーは長年悩まされた股関節の故障を理由に、その年のウィンブルドンを最後に引退することをほのめかしていました。ですが全豪オープン後に手術をしたので、結局ウィンブルドンシングルスには出場しませんでした。このまま引退かと思われましたが、結局復帰を果たし、10月のヨーロピアン・オープンで決勝進出すると決勝ではスタン・ワウリンカを破り2年ぶりのツアー優勝を果たしたのです。

この見事な復活劇は映画化されており、Amazon Primeで配信されているので気になる方は見てみてください!

Amazon.co.jp: アンディ・マリー: 再起までの道 (字幕版) (4K UHD)を観る | Prime Video

このように近年は股関節の怪我との戦いが続いており、かろうじて現役を続けているもののいつ引退してもおかしくない状態です。現役のうちにマレーのプレーをたっぷり堪能しておきたいものですね!